被災ストーリー
【学校/平日の朝/子ども】編
僕は小学4年生。今日もいつもの時間に学校に着いて、そろそろ朝会が始まる時間だ。
僕はちょっと席から離れて、友達と話をし始めた時だった。一人の女子が「うわぁ、地震!」と突然叫んだ。地震・・・?と、思った次の瞬間、教室が横に大きく揺れた。みんなよろけて、悲鳴が上がった。
僕は急いで、自分の席に戻ろうとしたけど、上靴のかかとを踏んでいたので脱げそうになって、途中でひざをついた。その場で、誰かの机の脚を力いっぱい握って、机の下にアタマをつっこんだ。
まわりの机やいすが音を立てて動き、僕の足にも何かがぶつかったみたいだけど、必死で机の脚を握ってアタマを下げていて、その時は何も感じなかった。棚から本や物が落ち、花瓶が大きな音を立てて割れていた。
ものすごい地震だった。揺れが収まってきて、教室を見渡すと、机が倒れたり、ノートや筆箱、ランドセルが散乱していた。
そのうち、教頭先生が廊下から「落ち着いて、全員グラウンドに出てください!」と呼びかけてきた。まず、転ばないよう、靴をちゃんと履き直した。
グラウンドに避難してクラスごとに並んでいったけど、僕らのいるあたりはなんだか歩きにくくなっていた。雨でもないのに、水たまりもあった。座ることもできないし、友だちと、嫌だねと言いながら先生に聞いてみた。「先生、僕らのクラスの方、地面がちょっと立ちにくいんですけど」